ベテランバイトの風格を醸していた

2歳7ヶ月の長男が通う保育園は、モンテッソーリ教育を取り入れている。

ガチ勢ではなく、あくまでも「要素取り入れ系」であるが。

 

迎えに行くと、教室には長男と担任の先生の二人だけ。

先生も教具も独占状態でまったりしちゃっていた。

 

先生と、長男の言葉の発達のことなど話した後、先生は出て行かれたが、教室で遊んでいてもいいと言ってくれたので彼の好きにさせた。まだ遊んでいたい感じ。

 

棚にあるパズルを自分のデスクまで持って来て遊ぶ。

戻す。

トングでブツを皿から皿へ移すモンテ的な教具を持って来る。

すぐ飽きて戻す。

あらゆる「蓋」の開閉を練習できる教具を持ってくる。

がまぐちが硬くて、棚に戻す。

 

飽きて光の速さで戻すことあれど、一個一個戻すルール守れててすごい!

 

最後に手を付けたのが「お裁縫セット」

 

万が一、指に刺しても血はあんまり出なそう(ちょっとは出そう)な太い針で、紙に糸を縫い付けるおしごと。

 

三段くらいの小さな引き出しに、裁縫箱と糸と紙が入っている。

 

まず、この3点を取り出す様子が見事である。

 

さ、さ、さ、と慣れた手つきで取ってくる。

 

席につくと、「さ、それでは、やっていきましょうかね。」くらいの感じで一息ついて、裁縫箱から針ケースを取り出した。針ケースから慎重に針を出し、針山に刺す。

 

すごい、ここに長いこといる人だ。

 

糸通しと玉結びは私がやった。

 

準備ができ、ベースの紙に糸を縫い付けていく。

 

針穴を開けてくれてあるので、そこに刺せばよい。

 

気の向くままに2、3回刺し縫いして、糸を糸切りバサミで切る。

針をしまって裁縫箱は引き出しに戻す。

糸くずはゴミ箱へ。

作品は個人ボックスに入れた。

 

手順が完璧だ!

 

これは、あれだ。

 

「もしもお客様にお持ち帰りしたいと言われたら、折詰をここから取って。輪ゴムはここ。忘れやすいので気をつけて(笑)この紙を添えて、日付の記入を忘れないでね。そしてこれをこうして、あれはこうして、これをこう処理すれば完璧なので!」ってすごくキラキラ教えてくれた、ベテランアルバイターの先輩方のテキパキ感だ。プロフェッショナルの自信、責任感。

 

2歳の背中から、そんなバイブスを久しぶりに思い出した。

 

モンテッソーリでは「おしごと」と、よく言ったものだ。

家庭で見せるちゃらんぽらんな彼とは違う、オフィシャルな一面を見てギャップ萌えできた日であった。